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赤松林太郎氏のNewAlbumを聴く

10014865900_s.jpg赤松林太郎氏(プロフィール)のNewAlbum "Rintaro AKAMATSU 2006" が今年の2月1日に発売された。収録曲は、スカルラッティのソナタが4曲、チマローザのソナタが3曲、モーツァルトの幻想曲、シューマンのアラベスク、リストのハンガリー狂詩曲、他。タイトルの通り、全曲が2006年に録音されている。このたび、赤松氏の好意によりこのCDを頂いたので御礼の意味も込めてレビューを綴る。

聴いてまず驚いたのが、録音の捉え方の深さである。私は前作の"Le Message d'Amour"しか聴いてないのでそれと比較してしか言えないが、ずっと鮮明に記録されており、一般に市販されているCDに遜色ない仕上がりになっている。ライナーノートに依れば、スタジオ録音された8曲(スカルラッティ,チマローザ,モーツァルト)は、札幌のエルムホールにて録られているらしく、おそらくはこのホールの音響と録音機材が優れているということか。

演奏については、冒頭から4曲続くスカルラッティも悪くないが、続くチマローザのソナタが素晴らしい。昨年の知恩院ライトアップ2006でもチマローザのソナタ(C.12)を聴かせていただいた。そのときはライトアップという幻想的なムードにこの曲は映えるなと思ったりしたが、部屋でCDを聴いてみると赤松氏の演奏のうまさゆえにチマローザとライトアップのコラボレーションが功を奏していたことに(当たり前のことだが)気づかされる。私はチマローザについては、アマデウスでモーツァルト暗殺の陰謀を企てた悪役として描かれたウィーンの宮廷楽長アントニオ・サリエリの後任となった人、ぐらいにしか知らない。赤松氏が弾いた以外にチマローザの曲を聴いたことはない。大作曲家という印象は受けないが、赤松氏が演奏するソナタから聴く情趣はなかなかに味わい深い。

しかし一番の出色なのは、リストのハンガリー狂詩曲第6番であろう。これは昨年1月27日のブダペストでのライブ録音であるが、ライブ録音だけに熱のこもった演奏になっている。スタジオでもライブでも同じような演奏しか弾かない演奏家は多く、そのことは私たち愛好家の足をホールから遠ざけるわけであるが、彼ぐらいにライブで燃焼してくれるとやはり音楽はナマで聴くのが一番だと再認識させられる。リストのピアノ曲といえば難曲揃いでピアニストの技術を示すのにうってつけなわけであるが、私は「リストの難曲をミスタッチなく弾いてみました」という気取った演奏は嫌いである。リストの楽曲はユーモアに満ちているから(そのことを私は赤松氏の演奏から知ったのだが)、いかに楽しく聴かせるか、それがピアニストに問われるところなのだと思う。その意味で、赤松氏のこのハンガリー狂詩曲などリストという作曲家の真髄を知らしめてくれる名演であろう。この曲を最期の最後まで攻め続けられるピアニストは果たしてどれだけいるだろう。是非多くの人に聴いてもらいたい思うし、今後機会があれば、オール・リストのCDを出してほしい。

その他、シューマンのアラベスクもこの作曲家の持つ詩情がよく表されていたりと、聴き所は随所にある。毎年毎年、進化していく赤松氏であるが、2006年という年の充実ぶりを示す良いCDであった。

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2007年04月30日 00:00に投稿されたエントリーのページです。

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